アメリカの歴史教育についてアメリカ人が語った
今回は、アメリカ サンディエゴ在住の50代の夫婦と、
大学4年生の息子さんです。
パパ:広島っていうのは、特にアメリカ人にとっては
訪問するときに特別な感情を抱かせる場所だね。
やはり、guilty(罪の意識)を感じずにはいられない。
でも、やはり、ここで何が起こったかを知らなければ
ならない。
わたし:ガイドをしていると、原爆の正当性について
いろいろな意見を聞きます。
歴史についてのジャッジは意見が分かれるとして、
これからより良い未来を作るためにどうするのか
考える機会になったらいいなと思います。
アメリカ人のお客さんからは特に
パールハーバーについて話題にされることが多いです。
衝撃的というか屈辱的な記憶なんだよ。
だって、アメリカの国土が直接攻撃された唯一の機会だし
しかもそれが大打撃だったわけでしょう?
アメリカ人のプライドがずたぼろになったわけさ。
日本では、8月6日を記念日にして毎年犠牲者を
弔ったり、セレモニーをしたりするでしょ。
あんなセレモニーはやらないわけさ。
プライドを傷つけられた日を記念して
大々的なセレモニーをやろうなんて思わない、
という感情がどこかにあるんだろうね。
とか言うわりにはみんな1941年12月8日て
ちゃんと覚えてるよね。
息子:日本では第二次世界大戦のことや
原爆について、学校ではどんな風に習うの?
わたし:私は広島で育ったので、特に原爆の被害については
被爆者の話を聞いたり、他の県の生徒と比べると多くの時間を割いて勉強していると思います。
emotional(感情的)な側面が強調され気味な教育を
受けたと思います。
第二次世界大戦中に日本が中国や東南アジアの国々に
及ぼした加害者としての歴史については
正直さらりとしか習っていません。
自分でその情報にアクセスしない限り
あまり深くは知ることなく学校を卒業すると思います。
逆に、アメリカではどんな風に歴史の教育を
受けますか?
息子:中学、高校までは歴史の授業では
「アメリカはグレートだ、
アメリカはナンバーワンだ」みたいな教育を
受けていると思う。
僕もその影響を受けてたと思うんだけど、
大学に入って自分の視野が広がってくると
あれ?ほんとにそうなのか??
本当にそうなのか?
本当に原爆は落とす必要があったのか?
と考え始めた。
アメリカでも原爆投下は必要なかった、と
考える人は増えてきていると思う。
今日、原爆資料館を訪れて、改めて
これがいかに非人間的であるかを実感したよ。
どんな理由があっても原爆はだめだ。
パールハーバーについて、こんな見方も
あるのね、と驚いた一日でした。