アメリカ人医師が海外の病院で体験したこと
パパと息子(13才)のお二人です。
パパ:ぼくの父親はスペイン人で、
ぼくはイギリスで生まれてイギリスで育った後
アメリカにわたってきて医者になった。
医者はね、世界中のどこでも仕事につけるのさ。
僕は心臓病の子どもを診るのが主な仕事なんだ。
世界中で仕事につけるからいろんな国に住んだよ。
ネパール、カナダ。
いろんな国に住んだけど、アジアはいいね~。
わたし:じゃあ、これからどこにでも好きな国に住めるんですね。
うらやましいなぁ~。
(原爆資料館で大やけどを負った人の写真をみて)
パパ:これは5度のやけどだね。
この人たちはこの後すぐに死んでいるね。
わたし:病院で5度のやけどの人を見たことがあるんですか?
パパ:あるよ。でも、原爆のやけどと火事のやけどは違う。
普通の火事のやけどは、徐々に温度が上がっていくなかで
やけどを負うけれども
原爆のやけどは、一瞬で1000度を超す温度になって
一瞬で皮膚を焼かれている。
原爆のやけどの人は皮膚が黒い。
(戦後5年経ってから広島カープが設立された話から)
パパ:前から思ってたけど、野球ってアメリカの
スポーツでしょ。
日本人はそんな敵国のスポーツが大好きなんだよね。
アメリカのスポーツだからやるのをやめようとは
思わなかったのかな。
わたし:えっ、そうですね、、、そんなこと考えたことも
ありませんでした。
戦前から日本人は野球は好きでしたし、
戦争中はさすがにやってなかったとしても
戦争が終わったら早速再開したんですかね。
(海外生活の話から)
わたし:医者として海外に住んで、文化の違いを
感じたことはありますか?
わたし:人が死んだときにどうするか、っていう
ところが国によってかなり違うね。
例えば、インドではお父さんが死ぬと、息子が
3か月間洞窟にこもって祈りをささげる習慣がある
地域とかあってね。
インドで一家に1人は息子が必要、てのは
そういう習わしがあるために息子が必要なのさ。
それができないと悪いカルマになるらしい。
イランの方のゾロアスター教では、
人が死ぬと火葬でも埋葬でもなく、
死体を屋外に野ざらしにして動物に食べてもらう
習慣があるんだ。
カナダにいた時、ある赤ちゃんが死んで、
その家がゾロアスター教だったわけ。
両親が「赤ちゃんの死体を屋根の上に置いておいて
鳥とかに食べてもらいたい」と言ったけど
「それだけはやっちゃだめだーーーーー!!!」と
みんなで断固阻止したね。
イスラム教では死体を横向きに寝かせて
メッカの方向に向くようにして
棺桶じゃなくて白い布でくるんで土に埋めるし、
人が死んだときの習慣が国や宗教によって
大きく違うと感じるね。
こんなことって普段なかなか聞く機会もないので
とても興味深く聞かせてもらいました。
原爆資料館の中では、医者の視点からの
感想や解説をしてもらってとても勉強になりました。