通訳案内士Kayのシンプルな暮らし

通訳ガイドのこととか、暮らしのこととか

外国人観光客の素朴な疑問いろいろ

今回はフィリピンのマニラとアメリカのカリフォルニアから来た、

60代後半の3組のご夫婦です。

 

夫1:僕たちは、50年前に日本のとある大学に

交換留学生として派遣されたんだ。

今回の旅行は、その50周年記念のイベントに参加するため

だったんだよ。

 

わたし:50年前に交換留学生として日本に来るなんて

今と比べて随分ハードルが高かったことでしょうね。

50年前に日本に初めて来た時の印象はどうでしたか?

 

夫1:とにかく人が秩序正しいことに驚いたね。

フィリピンの街中といえば結構なカオスだけど、

東京は人が整然と並んで歩いている。

本当に驚きだった。

 

妻2:日本人は神道の神社に行ったり

仏教の寺に行ったり、一体どっちを信じているの?と

思ったわ。

 

わたし:あー、これには深くて長〜〜い理由があるんですよ。

一言で言うと、サムライの時代が終わるまで

日本では先年以上、神道と仏教が合体してたんですよ。

今は別々になっていますが、

合体してた歴史が長いせいで日本人は今でも

どちらも信じている人が多いですね。

 

(タウシーに乗って)

妻3:日本のタクシーの運転手はみんなきちんとした

格好をして、帽子も被ってたりするし、

手袋だってはめてたりするし、本当に気持ちがいいわね。

自分の仕事を真面目にやるぞという気持ちが

伝わってくるわ。

アメリカのタクシーの運転手なんて

ものすごいわよ。

ガンガン音楽を鳴らして、なんなら自分が大声で

歌ってるもんね。

 

(結婚式の前撮りらしい和服のカップルを見て)

夫3:見て!なんてきれいなんだ。

でも、お嫁さんの背中、ガウンの内側が

膨らんでるけど、バックパックか何か背負ってるの?

 

わたし:あー、あれは帯といって、ベルトを巻いていて

背中で美しく結んでいるんですよ。

今はガウンを着ているからその帯が見えないけれど

決してバックパックじゃないです。

 

平和公園を竹ぼうきで掃除している人を見て)

妻3:あの竹ぼうきを見て!!

アメリカではあんなほうきは見たことがないわ。

なんであんな形のほうきを使うの??

機械でガガガーっと掃除しちゃうことが多いわね。

 

わたし:彼女は魔女なので、夜はあのほうきで

空を飛ぶためですよ。

と言うのは冗談で、竹のほうきは広い面積を一気にはけるから

便利だからですよ。

細かいゴミを集めるのには不向きですが。

 

時々、ものすごく面白い質問をされるのには

慣れていますが、

打掛が後ろが膨らんでいるのを見て

バックパックだと思った、のコメントには

なるほどーーーー、とうならされました。