Dutchがらみのイディオムの話
今回はオーストラリアのパース近郊の町からきた
60台の2組のご夫婦です。
妻1:日本に来て思ったんだけど、日本て
電線がけっこう地上に出てるわよね。
オーストラリアでは電線は地面に埋めてあって
最近は電線を見ることが少ないから
日本に来て久しぶりに電線を見た気がしたわ。
(ご主人がクルーズ船の中で踊りすぎて
膝を痛めた、という話題から)
わたし:膝を痛めるくらい踊るなんてすごいですね。
どんなダンスを踊ったんですか?
夫1:それをゆめに見せるには
Dutch courageが必要だよ。
わたし:Dutch courage??
夫1:「酒の力」ってことだね。
酔っ払って気が大きくなって
俺はなんでもできる、と思うことを
Dutch courageと言うね。
わたし:そういえば、Dutch(オランダ人)て言葉、
よくいろんなイディオムになってますね。
Go Dutch(割り勘)とか
Dutch headache(二日酔い)とか。
なんだか割と良くないイメージのイディオムに
使われているような。
夫2:Dutch generosity(ケチ)とかあるね。
たぶん、昔イギリスとオランダって
仲悪かったんじゃないかな、笑
(電車の中で)
妻2:日本の電車はなんてキレイなの!!
電車の中に落書きが全くない。
電車を使う他人に対するリスペクトを
感じてとても気持ちがいいわね。
(少数民族の話題から)
妻1:オーストラリアもアボリジニがいるけど、
御多分に洩れず、社会問題になっているわ。
第二次世界大戦が終わってから少しして、
アボリジニをオーストラリアの社会に
同化させようということになって、政府が
アボリジニの子供達を強制的に親から引き離して
オーストラリアの「一般家庭」で育てる、
という政策をとったことがあったのよ。
それはしばらく経ったのちに中止になったけど
人のアイデンティティーを無視した愚かな政策だった。
その時代のことを
「Stolen Generation(盗まれた世代)」
と呼ぶのよ。
オーストラリアもパッと見、
のどかで問題なさそうに見えるかもしれないけど
中では色々あるのよ。
(平和教育の話から)
わたし:オーストラリア人の若い人たちが
原爆の子の像のモデルになった
佐々木禎子さんの話をよく知っていることに
驚きます。
妻2:オーストラリアはアジアの歴史は
学校でよく教えている方だと思う。
今は、世界史を習うときは
地域的にも時代的にも割とバランスよく習ってると思うけど、
私たちが若い頃、40年くらい前は
歴史の勉強といったら
徹底的に第二次世界大戦、
特に太平洋戦争について教えられたわ。
その他の歴史なんてさらっと習っただけ。
あとは戦争の歴史をひたすら勉強させられた。
その当時に見た原爆関連の写真のイメージは
私の頭から消えることはないわ。
家に帰ってからDutchがらみのイディオムを
調べてみました。
イギリスとオランダってよほど仲が悪かったんですかね、
たいていあまり良くない意味で
使われていることに驚いちゃいました。