通訳案内士Kayのシンプルな暮らし

通訳ガイドのこととか、暮らしのこととか

出川イングリッシュ 逆バージョン、英語の全くできないベトナム人と楽しくお話した

昨日は通訳ガイドのお仕事の日でした。

ベトナム人のばかり10人グループのご案内なのですが、

彼ら、ほぼ全く英語がわからないので、

私が英語でしゃべって、

それをベトナム人の通訳さんが

ベトナム語に訳す、という

なんとも不思議なツアーでした。

彼らは40代~50代のビジネスマンで、

ある会合に出席するために

2週間ほど東京に滞在していて

昨日は週末だからということで、

日本人のコーディネーターさんと一緒に

「1日観光」に来られたそうです。

 

「英語ができない」と聞いても、わたしは

そうはいってもカタコトくらいはわかるでしょう

と予想していました。

 

その期待はこっぱみじんに打ち砕かれ、

What's your name?

さえも通じてない、ということが

ツアー開始30秒で判明。

 

 

通訳さんがいるから、

通訳さんを介して話せばいいのですが、

やはり、ガイドの仕事柄、

お客さんと直接話した方が楽しいに

きまっています。

 

最初に電車に乗り込んで、

たまたま4人が向かい合って座る

ボックスシートに座れたので、

通訳なしトーク開始です。

あえて、スマホの辞書には頼らない方針でいこうと思いました。

 

まず、

ベトナムのどこからきたの?」

が聞きたい。

 

まず、ノートの左側に日本の地図を書いて、「ジャパン」と言い、

ノートの右側をゆびさして

ペンで絵を描くまねをして

ベトナム」と言いました。

 

すると、ちゃーんとベトナム

国の地図を書いてくれました。

見ておわかりのことと思いますが、

わたしがササっと書く絵はひどいです。

次に東京をペンでさして

トーキョー」「ホテル」と言い、

次にベトナムの地図を指さして、

お客さんをさして「ハウス」と言って

寝るジェスチャーをしました。

 

すると、、

ちゃーんと自分たちが住んでいる街の

場所と名前を書いてくれました。

ハノイホーチミン、もう一人の出身地は、、、

発音がわからない&読めない、で

「なるほどー」とか言いながら、

具体的にどの街かを理解しようとするのは

あきらめました。

どうやら美しいビーチリゾートだと

言いたい感じです。

なるほどなるほど。

 

後で日本人のコーディネーターさんに聞いて知ったのですが、

ベトナム語には音の抑揚のパターンが 6種類もあるそうです。

中国語は4種類ということなので、

さらに難解なんですね。

ちなみに、もちろん日本語は

抑揚のパターンは1種類。

 

なので、ベトナム語で「ハノイ」と聞いても

なかなかそれを「ハノイ」だと認識できず、

ホーチミン」も

なかなか認識できなかったのですが、

頑張ってまねして何度か発音していると、

「あ!!!!ホーチミン??」と

ひらめいてくるわけです。

なんて楽しいの~~~♡

 

次に、お客さんが見せてくれる

スマホの画面に「~」やら「´」の記号が

文字の上についているのが気になり、

「これはな~に?」と聞きたくなりました。

ベトナム人のお客さんからすると、

「~」とか「’」は当たり前の記号で、

わたしがそれを不思議に思うのが

驚きだったようです。

スマホを指さしても通じないので、

またまたノートに書いて、

「これ」と言うと、

「あ、これね」と教えてくれました。

 

どうやら発音の抑揚の記号のようです。

抑揚のパターンを

あれこれ教えてくれました。

抑揚にがある言語を話すなんて

初めてだったので、

全然うまくまねできません。

でも、親切なお客さんたちによって

とても和やかに会話は進みます。

 

次のお題。「シカ」

シカがいる、と話したい。

頭に角があるジェスチャーをして

「deer」と言ってみましたが、

当然通じません。

そこでシカの絵をかきました。

上の写真を見てもらえれば

かると思いますが、

わたしの絵心は「画伯見習い」並みです。

お客さんが3人でベトナム語

何やら相談しています。

確実に

「この動物はなんだ??」

と言っている感じです。

 

一人のお客さんが 

ベトナム語を英語に変換する辞書を使って

私に単語を見せてくれました。

 

giraffe (きりん)

 

オーマイガー!!!!!

日本に野生のキリンなんていないし!!!

この絵のどこがキリンなのよぉ

 

ノーノーノー

辞書を指さして、

「背が高い」ジェスチャーをし、

わたしのシカの絵を指さして

「背が低い」ジェスチャーをしました。

そして追加情報として、

色についても話しました。

 

ブラウンと英語で言っても通じないので

お客さんの茶色のカバンを指さして、

シカのボディーを指さすと

一人のお客さんが「あ!」と言って

辞書にベトナム語→英語に

変換してくれたのを見せてくれました。

「deer」(シカ)

 

やったーーーーーーー!!

 

その他、「天皇」「安倍」「国王」

などについても話しました。

「世界の果てまで行ってQ]で 

一躍有名になった

「出川イングリッシュ」の

完全逆バージョンです。

 

結局英語なんてほとんど使わなくても

けっこうな情報を伝えあって

楽しく会話できるものですね。

 

そうこうしているうちに、

目的地に到着です。

日本人コーディネーターの人に

「英語全く通じないのに

30分以上も盛り上がれなんるて

おそるべきコミュニケーション能力だねぇ」

とびっくりされました。

 

観光でのガイドは

通訳さんに訳してもらいましたが、

その他のところは1日中

あの手この手のジェスチャー

お客さんとしゃべりまくり、

夕方、お別れするときには

みんなとハグしてお別れしました。

 

いい経験をさせてもらいました。